絶筆
ぜっぴつ
名詞
標準
one's last (piece of) writing
文例 · 用例
白梅に明ける夜ばかりとなりにけり 天明三年、蕪村臨終の直前に咏じた句で、彼の最後の絶筆となったものである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
もしこれが最後の絶筆でなかったならば、更生の蕪村は別趣の風貌を帯びたか知れない。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
新大阪新聞に連載されていた「ひとで」は武田さんの絶筆になってしまったが、この小説をよむと、麹町の家を焼いてからの武田さんの苦労が痛々しく判るのだ。
— 織田作之助 『武田麟太郎追悼』 青空文庫
絶筆の「ひとで」を私はその新聞の文化欄でほめて置いた。
— 織田作之助 『武田麟太郎追悼』 青空文庫
二、三の評論家に嘘の神様、道化の達人と、あるいはまともの尊敬を以て、あるいは軽い戯れの心を以て呼ばれていた、作家、笠井一の絶筆は、なんと、履歴書の下書であった。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫
之より一回転して虚実の中に出没し、視るところのものゝ心裡を写出する一節絶筆なり。
— 北村透谷 『「桂川」(吊歌)を評して情死に及ぶ』 青空文庫
わたくしは魯文の記する所に従って、「絶筆、おのれにもあきての上か破芭蕉」の句を挙げて置いた。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
「××新聞に載っていた、大老についての記述が、先生最後の絶筆となったようなわけですから、その縁でもって……。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
作例 · 標準
病床で震える手で書き綴られたこの未完の物語が、若くして世を去った彼の最後を飾る絶筆となった。
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文学館のガラスケースの中には、国民的作家が亡くなる数時間前に書き記した貴重な絶筆が展示されている。
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彼が遺した絶筆には、長年支えてくれた読者への感謝と、書き切れなかった物語への無念が滲んでいた。
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標準
ceasing to write
作例 · 標準
彼はある事件をきっかけに執筆意欲を完全に失い、愛用の万年筆を置いて、そのまま絶筆してしまった。
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「もう言葉が出てこない」と友人への手紙に書き残し、彼は文壇の第一線から退いて絶筆の道を選んだ。
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長年にわたる創作活動の末、彼は最後に一篇の詩を書き上げ、それを区切りとして静かに絶筆した。
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ウィキペディア
絶筆(ぜっぴつ)は、日誌などの書き続けてきた物の後を書かないことや、書くのをやめること。これらは「作者の意思によって執筆をやめる」場合や、「作者の死等により執筆中止を余儀なくされる」場合がある。また、作品を書き終わる(完成に至る)こと。 その人の生涯において、最後に書き残した文や書画。
出典: 絶筆 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0