詩心
ししん異読 しごころ
名詞
標準
poetic sentiment or inspiration
文例 · 用例
仮りにその要求の満足される場所が生活の方に転移するとしても、転移したら転移したとしての詩心の表現物、即ち詩は要求されるのである。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
詩とは、何等かの形式のリズムによる、詩心(或ひは歌心と云つてもよい)の容器である。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
短歌・俳句は、一詩心の一度の指示、或ひは一度の暗示に終始するが、詩では(根本的にはやはり一篇に就き一度のものだらうとも)それの旋回の可能性を、其処で、事実上旋回すると否とに拘らず用意してゐるものである。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
尤も、此の浸入が不可ないといふのではない、勿論裨益もするのだが、短歌や俳句が我が詩心界を代表する如くに一本立ちに、詩は猶それを代表することは出来なく、而も時勢は既に詩歌として短歌・俳句だけでは間に合はない詩的要求の萠芽を見てゐると云ひたいのである。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
それが既に四十歳を過ぎた今となっても、いまだ死なずにいる自分を見ると、我ながら浅ましい思いがすると、堀口大学君がその随筆集『季節と詩心』の中で書いているが、僕も全く同じことを考えながら、今日の日まで生き延びて来た。
— 萩原朔太郎 『老年と人生』 青空文庫
こうした異郷の空のほとんど定期になった半歳の間、ドクタ・ビゲロ、ミセス・ガードナその他の新旧の友人からの心づくしの数々にかかわらず、感傷に満ちた兄は、その動きやすい詩心に、本国の思い出も深く、五浦の釣小舟さては赤倉のいで湯のことを、いかになつかしく思い浮かべたことであろう。
— はしがき 『茶の本』 青空文庫
先程から海中にぽつんと浮んでゐる隠岐の島が何とか歌ひたくて仕方がなかつた作者は、直ちにこの蟻を捕へてそれに結び付けて詩心を満足させたわけなのであらう。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
しかし、その戯曲は言葉を超越して脈々たる詩心を感ぜしめた。
— 岸田國士 『中村・阪中二君のこと』 青空文庫
作例 · 標準
美しい夕焼けを眺めているうちに、ふと詩心が湧き上がってきた。
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彼は豊かな詩心の持ち主で、日常の何気ない風景を美しい言葉で綴る。
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旅先で出会った人々の優しさが、私の詩心を刺激した。
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