往還
おうかん
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
traffic
文例 · 用例
宿坊の造りは一定していないが、往還から少し引ッ込んだ門構えに注連を張り、あるいは幔幕をめぐらせ、奥まった玄関に式台作りで、どうかすると、門前に古い年号を刻み入れた頂上三十三度石などが立っている。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
所謂原つぱへ出ると、南を向いた丘の斜面の草原には秋草もあれば櫻の紅葉もあつたが、どうも丁度工合のいゝ處を此處だと思ひ切りにくいので、とう/\其の原つぱを通り越して往還路へ下りてしまつた。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
漸く丘の下の往還に出ると、丁度其處から登る坂道があつた。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
ただ極端と極端とを対照する時に、「美」に専らなものと、「真」に忠なるがために狭義の美の境界線の内外に往還するものとの区別を認めて、後者を特に一団として考えるに過ぎないのである。
— 寺田寅彦 『漫画と科学』 青空文庫
東京の高輪の方に位したその屋敷町の往還は常から人通りが少なかったが、風がだんだん吹き募りながら夜に入ってからは人っ子一人通らなかった。
— 梶井基次郎 『不幸』 青空文庫
三 ある朝、町からの往還をすぐ眼下に見おろす郷社の杜へ見張りに忍びこんでいた二人の若者が、息を切らし乍ら馳せ帰って来た。
— 黒島伝治 『豚群』 青空文庫
お相撲さんの舟に無銭で乗せてもらって往還りして彼処で釣ったのだよ。
— 幸田露伴 『蘆声』 青空文庫
いわゆる原っぱへ出ると、南を向いた丘の斜面の草原には秋草もあれば桜の紅葉もあったが、どうもちょうどぐあいのいい所をここだと思い切りにくいので、とうとうその原っぱを通り越して往還路へおりてしまった。
— 寺田寅彦 『写生紀行』 青空文庫
作例 · 標準
例句