清める
きよめる
動詞-一段動詞-他動詞
標準
to purify
文例 · 用例
食事がすんでそこらを片付けるうち風呂がわいたから父上から順々にいってからだを清める。
— 寺田寅彦 『祭』 青空文庫
神もおはしまさば我家の檐に止まりて御覽ぜよ、佛もあらば我が此手元に近よりても御覽ぜよ、我が心は清めるか濁れるか。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
我が心は清めるか濁れるか」 封じ目ときて取出せば一尋あまりに筆のあやもなく、有難き事の数々、辱じけなき事の山々、思ふ、恋ふ、忘れがたし、血の涙、胸の炎、これ等の文字を縦横に散らして、文字はやがて耳の脇に恐しき声もて※くぞかし。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
夕の雲は火の如き夏の暮方、または日ざし麗らかに天|清める秋の朝なんど、あるいは黒しくして、さすがに少時は塵埃の舞ふ都の中にあるをすら忘れしむ。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
鐘に血を塗るというのは、本来はおそらく犠牲の血によって物を祭り清めるという宗教的の意義しかなかったのであろうが、しかし特に鐘の割れ目に塗るということがあったとすると、それは何かしら割れ目のために生じた鐘の欠点を補正するという意味があったのではないかと疑わせる。
— 寺田寅彦 『鐘に釁る』 青空文庫
今度は石を錦に裹んで藏に納め容易には外に出さず、時々出して賞で樂む時は先づ香を燒て室を清める程にして居た。
— 國木田獨歩 『石清虚』 青空文庫
……艶なる女優の心を得た池の面は、萌黄の薄絹のごとく波を伸べつつ拭って、清めるばかりに見えたのに、取って黒髪に挿そうとすると、ちっと離したくらいでは、耳の辺へも寄せられぬ。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
詩とは、人々の魂を救ひ、清めるものでなければならないとすれば、彼の詩集「青猫」は人々が戰慄を感ずるまで君の靈魂を洗つて呉れる筈だ。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫