誨淫
かいいん
名詞
標準
teaching of immoral behavior
文例 · 用例
又自分たちが猥雑な心もちに囚はれ易いものだから、男女の情さへ書いてあれば、どんな書物でも、すぐ誨淫の書にしてしまふ。
— 芥川龍之介 『戯作三昧』 青空文庫
(二月三日) 誨淫の書 金瓶梅、肉蒲団は問はず、予が知れる支那小説中、誨淫の譏あるものを列挙すれば、杏花天、燈芯奇僧伝、痴婆子伝、牡丹奇縁、如意君伝、桃花庵、品花宝鑑、意外縁、殺子報、花影奇情伝、醒世第一奇書、歓喜奇観、春風得意奇縁、鴛鴦夢、野臾曝言、淌牌黒幕等なるべし。
— ―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文― 『骨董羹』 青空文庫
また自分たちが猥雑な心もちにとらわれやすいものだから、男女の情さえ書いてあれば、どんな書物でも、すぐ誨淫の書にしてしまう。
— 芥川龍之介 『戯作三昧』 青空文庫
『絵入教訓近道』は題名の如く春水が教訓を標榜した草双紙であるが、然し此場合の教訓は誨淫の書といわれる人情本を勧善懲悪などというよりも名実相副うものであろう。
— 桑木厳翼 『春水と三馬』 青空文庫
源氏物語を誨淫の書と考え、その作者紫式部の死後百年程経て、式部はああ言ういけないそらごとを書いた為に地獄へ堕ちて苦しんでいる、と言うことさえ信じられていた程である。
— 折口信夫 『反省の文学源氏物語』 青空文庫
源氏を「誨淫の書」だの、「破倫の書」だのと言つて、まるで唾を吐きかけるやうな調子で、ものを言つた時代もあつた。
— 折口信夫 『文學を愛づる心』 青空文庫
『下手な画工が描きそうな景色というやつに僕は時々出あうが、その実、実際の景色はなかなかいいんだけれども。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
「どこの娘さんか知りませんけれど、服装はいいというほどじゃありませんけれど、容貌はなかなかいいんですよ。
— 岡本綺堂 『有喜世新聞の話』 青空文庫