漁火
ぎょか
名詞
標準
fire lit on a boat to lure fish at night
文例 · 用例
カンテラは闇の晩の漁火のようなものだった。
— 黒島傳治 『土鼠と落盤』 青空文庫
沖の奥は真暗で、漁火一つ見えぬ。
— 寺田寅彦 『嵐』 青空文庫
霎時にして海上を見渡せば、日は已に没し、海波暗くして怒濤砂を捲き、遥か沖合には漁火二、三。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
沖の漁火を袖に呼んで、胸毛がじりじりに仰天し、やあ、コン畜生、火の車め、まだ疾え、と鬼と組んだ横倒れ、転廻って揉消して、生命に別条はなかった。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
と、漁火の一つが、動き出した。
— 織田作之助 『ひとりすまう』 青空文庫
そして、漁火の速度で浮島の大きさを割る計算を始めた。
— 織田作之助 『ひとりすまう』 青空文庫
割り出された時間が過ぎたが、漁火は姿を見せなかった。
— 織田作之助 『ひとりすまう』 青空文庫
恐らく、漁火は、島の陰で止っていたのだろうが、そんなことに気が付く余裕が無かった。
— 織田作之助 『ひとりすまう』 青空文庫