漁家
ぎょか
名詞
標準
fishing household
文例 · 用例
娘は半里ほど湖上を渡って行く、城のある出崎の蔭に浮網がしじゅう干してある白壁の蔵を据えた魚漁家の娘だった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
この大きな魚漁家の娘の秀江は、疳高でトリックの煩わしい一面と、関西式の真綿のようにねばる女性の強みを持っていた。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
右手は、蘆の洲の上に漁家の見える台地で、湖の他方の岐入と、湖水の唯一の吐け口のS川の根元とを分っている。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
」 夕方歸る時に鹿田のゐる漁家の小さい息子が車に米俵を積んで町へ行くのと一緒になつた。
— 木下杢太郎 『少年の死』 青空文庫
しばらく川の両岸はよしきりの頻りに鳴く葦原つゞき、その間にところ/″\船つき場と漁家が見え、川はだん/\幅を拡めて来ますと、ついに海――。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
漁家にあらざるもの僅かに三戸、而して村情隣を捨てず、価なくして亦た挙家の鼓腹あり。
— 北村透谷 『客居偶録』 青空文庫
そんな間に、あれらの海村の漁家の二階で、あの寒村の水車小屋の炉端で熱ばかりを気にしながら読んだ本を回想すると、宇野浩二氏の「枯木のある風景」「子の来歴」瀧井孝作氏の「慾呆け」織田正信氏訳「D・Hローレンスの手紙」永井龍男氏の「絵本」などがかぞへられる。
— 牧野信一 『読んだ本』 青空文庫
大きな網や舟を持つてゐる漁家で、どんなにわたしが困つても、宿賃をとらうとしなかつた。
— 牧野信一 『城ヶ島の春』 青空文庫