空洞
くうどう
名詞頻度ランク #13255 · 青空 443 例
標準
cavity
文例 · 用例
本を出したおかげでこの満たされぬ空洞がいよいよ深くなるかも知れないが、そのときにはまたそれでよし。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
地下鐵道にてひとり來りて地下鐵道の青き歩廊をさまよひつ君待ちかねて悲しめど君が夢には無きものをなに幻影の後尾燈空洞に暗きトンネルの壁に映りて消え行けり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
でもまた、見渡す限り、ただ薄みどり色の茫洋乎たる大空洞の片隅に、幽かな黒一點をとどめてゐるものが、たとひそれは嘘にしても月の影法師だと云はれて見ると、鯛の大群や火事だと思つて眺めるよりは、風流人の浦島にとつて、はるかに趣きがあり、郷愁をそそるに足るものがあつた。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
ドイツの町を歩いていたとき、空洞煉瓦一枚張りの壁で囲まれた大きな家が建てられているのを見て、こんな家が日本にあったらどうだろうと云って友人等と話したことがあった。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
丁度フラスコの口に斜めに呼気を吹き付ける時に出る音と同じ訳で、両掌の間の空洞内の空気が振動して音を出すのである。
— 寺田寅彦 『歳時記新註』 青空文庫
この種類のものではその音の調子は空洞が狭くて口の穴の広いほど高くなる。
— 寺田寅彦 『歳時記新註』 青空文庫
世界の資本を呑みこみ、その跡に到るところ空洞を生ぜしめた。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
――夢かな‥‥と思ふと、木の空洞を叩くやうな兵士達の鈍い靴音が耳に著いた。
— 南部修太郎 『一兵卒と銃』 青空文庫
標準
hollow