桜桃
おうとう
名詞
標準
cherry (tree; esp. sweet cherry or Nanking cherry)
文例 · 用例
山桜桃 にはうめは、いと小さき花の簇れて咲くさま、花の数には入るべくもあらず見ゆるものながら、庭の四つ目籬の外などに、我は顔もせず打潜みたる、譬へば田舎より出でたる小女の都慣れぬによろづ鼻白み勝にて人の背後にのみ隠れたるが、猶其の姿しほらしきところ人の眼を惹くが如し。
— 幸田露伴 『花のいろ/\』 青空文庫
頭の上に広がった桜の葉蔭からは桜桃についた一群の椋鳥が驚いてうとましい声を立てながら一時に飛び立った。
— 有島武郎 『フランセスの顔』 青空文庫
まん中に居てきゃんきゃん調子をとるのがあれが桜桃の木ですか。
— 宮沢賢治 『チュウリップの幻術』 青空文庫
深窓の美姫、紅閨の艶姐、綾羅錦繍の袂を揃えて、一種異様の勧工場、六六館の婦人慈善会は冬枯に時ならぬ梅桜桃李の花を咲かせて、暗香堂に馥郁たり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
これは、海の桜桃です。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
」 桜桃の坂の尽きるところに、青い薄布を身にまとつた小柄の女性が幽かに笑ひながら立つてゐる。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
」と亀はつまらなささうに、「これは海の桜桃の花です。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
竜宮ではこの藻を食べて、花びらで酔ひ、のどが乾けば桜桃を含み、乙姫さまの琴の音に聞き惚れ、生きてゐる花吹雪のやうな小魚たちの舞ひを眺めて暮してゐるのです。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
作例 · 標準
例句