応当
おうとう
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
corresponding (to)
文例 · 用例
しかしこの用心を頭の中に置いた上で、試みにいかなる程度まで、いかなる方向にこの比較が可能であるかを一応当たってみるのは無意義ではないであろう。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
豹一とそのような関係になった以上、佐古の嫉妬の仕業だと思うのは一応当然ではあったが、じつはその記事は撲った道頓堀の勝の友人の記者が書いたのだった。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
或る人は神泉氏を指して、新傾向の指導的立場にある人であると評したが、一応当つてはゐるが正確には指導的な「人」ではない指導的な「絵」を描いてゐる人である。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
この疑問は一応当然の疑問であるように見えるけれども、結局は事物の外観に泥んでそれの本質を究めようとしない者の言に過ぎない。
— 三木清 『語られざる哲学』 青空文庫
父がこの縁談に乗気なのは、娘をもつ父親のかういふ話に処すべき一応当然な態度にすぎなくて、底を割れば、もつと寛大な、融通もきゝ、冗談もまぢつてゐると思つてゐた。
— 坂口安吾 『波子』 青空文庫
無礼講もその差は一応当然でカンにさわる筋はなかつたが、二人のつながりは軍人としてゞはなしに、人間のもので、そのつながりの上だけでの交際なのだから、安川は急にビリビリ緊張した。
— 坂口安吾 『決闘』 青空文庫
仮に、あなた方、映画会社から委託派遣という形式になっている研究生の組と、一方の、舞台俳優志望者を主体とする、正科だか本科だかの組との雰囲気の相違について、あなたの観察は、なるほど、一応当っているかも知れません。
— 岸田國士 『あるニュウ・フェイスへの手紙』 青空文庫
これだけのことは閑山の口ででもわかっていたが、一応当の久七からじかに聞き取るために、柳原で安兵衛とわかれたのち、文次は連雀町の津賀閑山方へ立ち寄って、そっと裏から久七を呼び出してきいてみると、閑山のいったところとたいして違いはない。
— 林不忘 『つづれ烏羽玉』 青空文庫
作例 · 標準
例句