繍帳
しゅうちょう
名詞
標準
embroidered curtain
文例 · 用例
居室にも竜を雕り繍帳にも竜を画き、日常竜の中に起臥していた。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫
わたくしは不幸にして未だに中宮寺をおとなう折にはめぐまれぬけれども、その曼荼羅繍帳にふれては、これまでも幾たびか人にもきかされ書物でも読んだ憶えがあるので、先生のおはなしにはひとしお惹かれるものがあった。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
現存する繍帳は片々たる小断欠を接ぎあわせたわずか方三尺たらずの小裂ゆえ一見すぐさまこれをもって一丈六尺四方の原形を想像することは難いけれども、しずかにこれへ眸をおくと華麗善美をつくしたそのかみの大繍帳が不思議に目のあたりくりひろげられて、想いはいつしか推古の大観へ至ると言われる。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
繍帳はもと法隆寺の宝蔵の奥ふかく納まわれてあったが、のち、中宮寺にうつされ文永年間信如尼によって修補が行われた。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
繍帳原形は中央に浄土変相をあらわし、瑞雲、霊鳥、霊樹、雲形、花鳥、人物、鬼形、仏像などを、周りに大銭のような亀甲が一百ばかりつらなり、一甲に四字あて、すべてで四百字、この繍文によって繍帳製作の由来をあらわしたと言われる。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
天皇はその哀情を深く思召され勅諚をもって繍帳を二張つくらしめ給うた、その下絵には絵師の東漢末賢、高麗加世溢、漢奴加己利を、尚|椋部秦久麻をその令者として諸采女たちに繍を命じ給うた。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
先生は染織文様のみちに明くいられるので現存の繍帳断裂の生地や繍糸についての考察にはとりわけ詳しいお話があった。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
繍帳下部のほうに、法隆寺金堂や玉虫厨子を思わせる様式の鐘楼があって、この中に緑の衣に紅い袈裟をつけた僧侶がいる。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
作例 · 標準
王の寝室には、美しい金糸で豪華な刺繍が施された繍帳が掛けられていた。
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博物館で展示されている古代の繍帳は、その緻密な手仕事に圧倒される。
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風に揺れる繍帳の隙間から、月明かりが部屋の中に差し込んだ。
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