時花
じか
名詞
標準
flowers of the season
文例 · 用例
またある時花壇の金蓮花の葉を見ているうちに、曇った空が破れて急に強い日光がさすと、たくさんな丸い葉は見るまにすくすくと向きを変え、間隔と配置を変えて、我れ勝ちに少しでも多く日光をむさぼろうとするように見えた。
— 寺田寅彦 『自画像』 青空文庫
散歩季節の夕月の美しい時分には、沢山の散歩者から自分をあきらかにするために、ハーモニカで時花節などを奏した。
— 渡辺温 『アンドロギュノスの裔』 青空文庫
わが唇は生まれのままに朱し 人妻なりきとて何の咎めそ ………… 巴里の時花歌を、泪の塩の辛い口笛で吹きながら、エミ子は姿見に向って、お化粧をはじめました。
— 渡辺温 『四月馬鹿』 青空文庫
戻り途で、私が唄を歌いはじめると、H――氏は苦々しい顔をして、『どんなに楽しいことがあったにせよ、あまり泥酔して時花唄などを歌って歩くのは、我々に全く似合わしくないこととは考えませんか?
— ―― Ibi omnis effusus labor ! ―― 『浪漫趣味者として』 青空文庫
そして又青い――青い彼方から雲のやうに湧いて來る他郷の船舶、新しい貨物、知らない人々や、その方言乃至珍らしい物語や時花歌を迎へるのに慣れて居ると云ふ事が、彼等の心を非常に romantique にし、且容易に妄誕を信ぜしむるに至る。
— 木下杢太郎 『海郷風物記』 青空文庫
抑も波羅葦増の国と申すは、四時花咲き、鳥歌ひ、果実|季なく実り、生あれども死なく、明あれども暗なく、悔なく、迷なく、苦なく、禍なく、白象鰐魚も人に戯れ、河水甘露の味を宿して、白檀蘆薈のかをり園に満ちたり。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
花祭ありし夕か、群衆のなだれ長閑かに時花歌街を流れて辻辻に山車練る日なり、行きずりに相見しばかり、高華なる君が風雅も恋ふとなく思ひわすれき。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
味気なきは折ふしの移りかはり、祭ののち、時花歌のすぐ廃れゆく。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
作例 · 標準
この時期、桜はまさに時花の代表だ。
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市場には色とりどりの時花が並び、春の訪れを感じさせた。
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彼女はいつも、食卓に季節の時花を飾っている。
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