質朴
しつぼく
形容動詞名詞
標準
simple (and honest)
文例 · 用例
多く質朴な農夫の夫妻らしいのが、番をして売って居ます。
— 岡本かの子 『伯林の降誕祭』 青空文庫
金力の跋扈、ことに下等獣類に等しき工夫共の手により質朴なる田舎に撤かるる悪銭は、実に慨嘆に堪えぬ。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
意気込んでいる草川巡査の吶弁を、法服のまま静かに聞き終った禿頭、童顔の鶴木検事は草川巡査の質朴を極めた雄弁にスッカリ釣込まれてしまったらしい。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
ここで僕の注意をひいたのは、この兄妹の風俗の全然相違していることで、兄は一見して質朴な農家の青年であることを認められるにもかかわらず、妹は媚かしい派手づくりで、僕等の町でみる酌婦などよりは遥かに高等、おそらく何処かの芸妓であろうと想像されることであった。
— 岡本綺堂 『水鬼』 青空文庫
彼は四十五、六歳の、いかにも質朴らしい男で、日に焼けている頬をいよいよ赧らめながら、この不慮の出来事に就いて自分はまったくなんにも知らないと吶りながらに釈明した。
— 岡本綺堂 『深見夫人の死』 青空文庫
同君の論旨が質朴謙遜に述べられてある丈、小生も亦其保守的傾向ある所謂私徳に対して仰々しく倫理的評価など下すまじく候。
— 石川啄木 『渋民村より』 青空文庫
(ロ)に挙げた人々は、政治的手腕には乏しいが、義理堅く勇敢で、殊に吉川元春などは同じ長州の乃木将軍を思はせるやうな剛毅質朴な猛将である。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
そして、このとき梅の花は、その中央に抱く雌芯雄芯の色や、ふくらんだ褐色の蕾と調和して、最も質朴に見え、古典的な感じを与えるのです。
— 佐左木俊郎 『季節の植物帳』 青空文庫
作例 · 標準
彼は田舎育ちらしい、質朴で温かみのある人柄で皆から好かれている。
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この村の質朴な生活様式は、都会の喧騒を忘れさせてくれる。
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派手な装飾を削ぎ落とした、質朴なデザインの陶器が食卓に馴染む。
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