朴直
ぼくちょく
形容動詞名詞
標準
simplicity
文例 · 用例
一寸知つた程度の人が、五人ゐはしたが、その中の四人はIの尊敬者であり、一人は、朴直な粧ひをした通人で、愚直な私など相手にして呉れるべくもなかつた。
— 中原中也 『我が生活』 青空文庫
) かうした理窟はとにかく、この詩集に收めた少數の詩は、すくなくとも著者にとつては、純粹にパツショネートな詠嘆詩であり、詩的情熱の最も純一の興奮だけを、素朴直截に表出した。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
吾輩は敢て重い荷物を担がせられたから憤慨するのではないが、一国の生命は地方人士の朴直勤勉なる精神にありとさえいわれているのに、その地方人士の一部がかくも懦弱にして狡猾なる気風に向いつつあるのは、実に痛嘆すべき次第である。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
彼等朴直勤勉なるべき地方人士をして、かくも懦弱に、かくも不真面目ならしめたのは、偽文明の悪風|漸く日本の奥までも吹き込んで、時々この辺に来る高慢な洋人輩や、軽薄な都人士等の悪感化を受けた故もあろう。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
ピユリタンの興らんとする時に、至粋は彼等朴直なる田舎漢の上に望みて、千載歴史上の奇観をなし、独逸に起りたる宗教改革の気運の漸くルーテルが硬直誠実なる大思想に熟せんとするや、至粋は直ちに入つてルーテルの声に一種の霊妙なる威力を備へたり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
朴直子路の方が、その単純極まる師への愛情の故であろうか、かえって孔子というものの大きな意味をつかみ得たようである。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫
私の帆船が彼の島を立去る時、豪毅朴直な此の独裁者は、殆ど涙を浮かべて、「彼を少しも欺さなかった」私の為に、訣別の歌をうたった。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
社会の歴史から客観すれば、或る個人がどの時代に生きたということは問題になっても主観としては、これ等の知識からまるで放たれ、もっとももっとも朴直な而も純な太古の心を以て、わが宇宙をわが愛で認識し、整理してこそ甲斐があると思います。
— 宮本百合子 『われを省みる』 青空文庫
作例 · 標準
飾ることのない彼の朴直な人柄は、周囲の人々から厚い信頼を寄せられている。
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都会の洗練された振る舞いよりも、田舎の朴直な温かさに惹かれる。
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朴直な語り口で綴られたそのエッセイは、多くの読者の共感を呼んだ。
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