杳
よう
形容詞-たる副詞-と頻度ランク #41 · 青空 163 例
標準
dark
文例 · 用例
杳として眺望すれば街路を這ひ行く蛆蟲ども生きたる食餌を暗鬱にせり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
妻は二兒を殘して家を去り、杳として行方を知らず。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
豊橋も後になり、鷲津より舞坂にかゝる頃よりは道ようやく海岸に近づきて浜名の湖窓外に青く、右には遠州洋杳として天に連なる。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
夕陽海に沈んで煙波|杳たる品川の湾に七砲台|朧なり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
」 前後左右どちらを見ても、ただ杳々茫々、脚下を覗いてもやはり際限なく薄みどり色のほの明るさが續いてゐるばかりで、上を仰いでも、これまた蒼穹に非ざる洸洋たる大洞、ふたりの話聲の他には、物音一つ無く、春風に似て春風よりも少しねばつこいやうな風が浦島の耳朶をくすぐつてゐるだけである。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
杳かな創世の日から勞働爭議の今日に至るまで、積みかさね積みかさねられたものがそこにある。
— 梶井基次郎 『太郎と街』 青空文庫
肺の軋む音だと思っていた杳かな犬の遠|吠え。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
だんだん姿があらわれて来るに随って、影の自分は彼自身の人格を持ちはじめ、それにつれてこちらの自分はだんだん気持が杳かになって、ある瞬間から月へ向かって、スースーッと昇って行く。
— ――或はKの溺死 『Kの昇天』 青空文庫
作例 · 標準
山奥の寺は、杳として人の気配がなかった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
消息は杳として知れないままだ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
彼の行方は杳としてつかめない。
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