懐く
なつく異読 なずく・なづく
動詞-五段-カ行動詞-自動詞
標準
to become attached (to)
文例 · 用例
「夢もなお及ばない遠い未来のかなた、彫刻家たちのかつて夢みたよりも更に熱い南のかなた、神々が踊りながら一切の衣裳を恥ずる彼地へ{1}」の憧憬、ニイチェのいわゆる 〔flu:gelbrausende Sehnsucht〕 はドイツ国民の斉しく懐くものである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
人間の運命に対して曇らざる眼をもち、魂の自由に向って悩ましい憧憬を懐く民族ならずしては媚態をして「いき」の様態を取らしむることはできない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
私はこの警官に対して何となくいい感じを懐くと同時に自分の軽率な行為を恥じる心がかなり強く起った。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
僕は心の自由を恢復し、悪運の手より脱れ、身の上の疑惑を懐くこと次第に薄くなり、沈欝の気象までが何時しか雪の融ける如く消えて、快濶な青年の気を帯びて来ました。
— 国木田独歩 『運命論者』 青空文庫
これは、まあ私たち凡人にとっては理想の話ですが、一片の信念、信仰を懐くものは、いつとはなしに本然の(宇宙および自分にもとから備わっているところの)生き抜く力が体験中に拡大強化されて行って、昔の自分と比較するとき、思わず驚くほどになるものです。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
何ですか、可懐くって、身に染みてならないのに、少々|仔細が有りましてね、もうその方ともこれっきり、お目に掛られないかも知れなくなったの。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
今は、自動車さえ往来をするようになって、松蔭の枝折戸まで、つきの女中が、柳なんぞの縞お召、人懐く送って出て、しとやかな、情のある見送りをする。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
余計に私なんざ懐くって、(菖ちゃんお遊びな)が言えないから、合図の石をかちかち叩いては、その家の前を通ったもんでした。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
作例 · 標準
新しい子猫は、すぐに家族に懐いてくれた。
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子供は、優しく接してくれる大人によく懐くものだ。
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この犬は人見知りしないから、誰にでもすぐ懐くだろう。
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