浪々
ろうろう
名詞-の形容詞名詞
標準
wandering
文例 · 用例
しかるに、移転して三月目にその家が焼夷弾で丸焼けになったので、まちはずれの新柳町の或る家へ一時立ち退き、それからどうせ死ぬなら故郷で、という気持から子供二人を抱えて津軽の生家へ来たのであるが、来て二週目に、あの御放送があった、というのが、私のこれまでの浪々生活の、あらましの経緯である。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
青砥が浪々の身で、牛を呶鳴り、その逸事が時頼の耳にはいり、それは面白い男だという事になって引付衆にぬきんでられたのである。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
単に身分の上から見ても、たとい浪々しても彼も宝生なにがしと名乗るお役者の一人である。
— 岡本綺堂 『籠釣瓶』 青空文庫
年頃の娘を浪々の兄の手もとにおいて、世帯やつれをさせるのも可哀そうだと思って、彼は妹のために然るべき奉公口を探していた。
— 岡本綺堂 『籠釣瓶』 青空文庫
浪々しても宝生なにがしの妹を町家の奉公には出したくない。
— 岡本綺堂 『籠釣瓶』 青空文庫
それによると、このいじらしい小娘の父親は、もと中国筋のさる藩中で、ささいなことから君侯の怒りにふれて浪々の身となり、もう半年ほどまえから深川|八幡裏に継母と三人暮らしのわび住まいをしていたのだそうですが、十日ほど以前のある晩、父親が突然不思議な死に方をしたというのです。
— なぞの八卦見 『右門捕物帖』 青空文庫
そのうえ、てまえは今こそ浪々の身でござりまするが、れっきとした士籍にある身ではござりませぬか!
— 卍のいれずみ 『右門捕物帖』 青空文庫
さつきも云ふ通り、あしかけ五年の浪々に、わづかばかりの貯へは勿論、家財も着類もみんな賣り盡して、導引揉療治にまで身を落したが、それでも世渡りは出來ないで、先月から三度の飯も滿足に食つたことがない。
— 岡本綺堂 『俳諧師』 青空文庫
作例 · 標準
会社を倒産させてから数年、彼は定職にも就かず浪々たる日々を送っている。
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かつては名を馳せた剣客も、今では浪々たる身で日銭を稼ぐ毎日だ。
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浪々たる生活の中で、彼は真の友人と呼べる数少ない仲間を見つけた。
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