粗笨
そほん
形容動詞名詞
標準
crude
文例 · 用例
假に句讀訓詁を事とせざるは可なりとするも、書を讀んで句讀訓詁を顧みざるが如き習慣を身に帶ぶるに及んでは、何事を爲すにも、粗笨にして脱漏多く、違算失計、甚だ多きを致すを免れざるものである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
これは極|粗笨な、ありふれた誤謬だね。
— THE MURDERS IN THE RUE MORGUE 『病院横町の殺人犯』 青空文庫
いくら大きな絵を書いたところで、その部分が、山が、松が、松の葉が、乃至は人物の著物の襞が、その襞のつくつてゐる影が十分に描かれてなければ、粗笨徒らに他の笑ひを買ふに留つて了ふであらう。
— 田山録弥 『私の考へてゐる事』 青空文庫
それから硯友社の傾向に私が同化することが出来なかつたことを説く条に、『その癖、渠は渠等と共通な感傷性を脱し切れなかつた』と言つてゐるが、僕の感傷性と硯友社とを一緒に考へるなどは頗ぶる粗笨な頭だ。
— 田山録弥 『エンジンの響』 青空文庫
ゾラの構成力は、大きいには大きいが、やゝ粗笨で、何方かと云へば、ガラクタ普請の馬鹿に大きい奴に近い。
— 田山録弥 『小説新論』 青空文庫
占星術や錬金術から独立したときの天文学や化学が如何ほど幼稚で粗笨であらうとも、依然として、それらは、最も精巧な占星術や錬金術よりも、理論的には遙かに進歩したものであると同じである。
— 平林初之輔 『文学方法論』 青空文庫
そこには必要欠くべからざる分析が省略されて、自然力と社会との間に、粗笨な、不精密な、直接な方程式が設けられてゐる。
— 平林初之輔 『文学方法論』 青空文庫
だが批判者たちが、先づ事実から出発することを忘れて、粗笨な公式で事実を無理矢理に規定してしまひ、かくて問題を問題として取り上げることを拒んだことも認めなければならぬと私は考へる。
— 平林初之輔 『諸家の芸術価値理論の批判』 青空文庫
作例 · 標準
彼の絵は、技術的には粗笨だが、強烈な個性がある。
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粗笨な言葉遣いは、相手に不快感を与える。
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その道具は粗笨な作りだが、意外と丈夫で長持ちした。
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