雑然
ざつぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
untidy (room, pile, etc.)
文例 · 用例
一日外出して、我々の抱いて帰る印象は雑然として、而も果敢ないものである。
— 中原中也 『山羊の言』 青空文庫
一年半の滞在中たった一度だけはいって見たが、見たものの記憶はもう雑然として大抵消えてしまっている。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
要するにレビューというものはただ雑然とした印象系列の偶然な連続としか思われなかった。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
ある製造工場を見学するにしても、実際の場合は一見雑然とした機械の嵐のように運転する中を案内されて説明を聞いても眼が戸まどいをして視るべき要点を掴まえることが困難であるが、適当に編輯された映画で見れば、例えば飛行機なら飛行機の製造される過程が実に明瞭によく分るのである。
— 寺田寅彦 『教育映画について』 青空文庫
その日の夕方、雑然と旅衣裳の散らばってる妾達のユーロップ・ホテルの居間の電鈴がさびた音を立てました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
それはただ雑然たる小刀細工や糊細工の行列としか見えなかった。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
ロート張りの裸体の群れでも気のきいたところも鋭さもなくただ雑然として物足りない。
— 寺田寅彦 『昭和二年の二科会と美術院』 青空文庫
よく拭き込んだ板敷の床は凸凹だらけの土間に変り、鏡の前に洋酒の並んだラック塗りの飾り棚の代りには縁台のようなものが並んで、そこには正札のついた果物の箱や籠や缶詰の類が雑然と並んでいた。
— 寺田寅彦 『雑記(2)』 青空文庫
作例 · 標準
彼の部屋は本や書類が雑然と積み上げられており、足の踏み場もない。
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工事現場には建築資材が雑然と置かれていたが、作業が始まると手際よく整理された。
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古い蔵の中には、価値のわからぬ骨董品が雑然と並べられていて、宝探しのようだ。
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