義太夫語り
ぎだゆうかたり
名詞
標準
gidayū reciter
文例 · 用例
龍子は当年六十五歳、元と豪族に生れしが少うして各地に飄遊し、好むところに従ひて義太夫語りとなり、江都に数多き太夫の中にも寄席に出でゝは常に二枚目を語りしとぞ。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
僕等は、彼が借用証書を叩いて義太夫語りのやうな苦悶の表情でのたうちまはる有様を見た。
— 牧野信一 『沼辺より』 青空文庫
義太夫語りである以上、のどに別条さえなければ差し支えはないようなものであるが、容貌が一つの売物になっているだけに、これは富子に取って大いなる打撃であった。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
「一体このお春という婦人がお留にたのんで、富子とかいう義太夫語りに毒を飲ませたとかいうには確かな証拠でもありますか。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
長く家へ留めておいた上方ものの母子の義太夫語りのために、座敷に床を拵えて、人を集めて語らせなどした時の父親の挙動は、今思うとまるで狂気のようであった。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
お庄はきまりはずかしい念いをして、その義太夫語りに何やら少しずつ教わった。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
達磨屋の年増や、義太夫語りの顔などをお庄は目に浮べて、母親は様子が悪いとつくづくそう思った。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
居士が病気になつて後|頻りに義太夫を聞いて、義太夫語りの評をして居る処などはややわかりかけたやうであるが、まだ十分にわからぬ処がある。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫