義太夫節
ぎだゆうぶし
名詞
標準
gidayū ballad drama (narrative accompanied by a shamisen used in the bunraku puppet theater)
文例 · 用例
さういふものから後になつて義太夫節にかゝる近松の淨瑠璃が出來た。
— 内藤湖南 『大阪の町人と學問』 青空文庫
その人情の極致と破綻と、抑えつけられた胸の炎と、機微な、人間の道の錯誤を語りだしたのが義太夫節で、義太夫節は徳川時代でなければ、産れないもので他の時には出来ないものだ。
— 長谷川時雨 『竹本綾之助』 青空文庫
その上に、義太夫節の生れた徳川氏の政府の最初に近い年代は、一面に長らく続いた戦国の殺伐で豪放な影がありながら、一面には世の中が何時も春の花の咲いているような、黄金が途上にもざくざく零れていれば、掘井戸のなかからも湧いて出るといったような、豪華な放縦な、人心の頽廃しかけた影も射しそめていた。
— 長谷川時雨 『竹本綾之助』 青空文庫
そうして義太夫節は大阪に生れ、大阪に成長し、語る人も阪地の生れを本場とし、修業もその土地を本磨きとするのである。
— 長谷川時雨 『竹本綾之助』 青空文庫
俊敏な綾之助は、盛名を保つに聡かったであろうが、綾之助を情にもろくまけない女に教育したのは、七歳の年から無心で語っていた義太夫節が、知らず知らずの間に教えた強いものが、綾之助の心の底に生れつきのように根をはっていたのでもあろうと考える。
— 長谷川時雨 『竹本綾之助』 青空文庫
夫人連にもそれに劣らぬ贔屓の競争があったが、鳩山春子女史が以前は大嫌いであった義太夫節が、呂昇を聴いてから急に呂昇びいきになったというのにも、呂昇の角のない交際ぶりと、性格の一面が見えるではないか。
— 長谷川時雨 『豊竹呂昇』 青空文庫
口に新時代の女性を謳歌しながら、趣味としては、義太夫節などにある、身を売って夫を養う妻を理想として矛盾を感じない男もあります。
— 長谷川時雨 『平塚明子(らいてう)』 青空文庫
あとには、独り、益満が、でん――」 口の中で、義太夫節を、唄いながら、立上った。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫