幽邃
ゆうすい
形容動詞名詞
標準
retired and quiet
文例 · 用例
ついでに表現の構成を分析すれば、「柚の花」が静かな侘しい感覚を表象し、「母屋」が大きな旧家――別棟や土蔵の付いてる――を聯想させ、「乾隅」が暗く幽邃な位置を表象し、そして「ゆかしき」という言葉が、詩の全体にかけて流動するところの、情緒の流れとなってるのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
簡素幽邃といふのが、あなたたちの風流の極致だらうぢやないか。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
でつかい建物や、ごてごてした裝飾には口をあけておつたまげても、こんな幽邃の美には一向に感心しない。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
これがすなはち簡素幽邃の美かね。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
一歩境内に踏みいると、乱雑なる町家から仕切られて、吉野山の杉林を見るような、幽邃なる杉並木が、富士の女神にさす背光を、支持する大柱であるかの如く、大鳥居まで直線の路をはさんで、森厳に行列している。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
世界的百貨店、ウェルトハイムの大飾窓に煌めく満天の星、神木の木の下の女神を取巻く小鳥、獣類、人間の小児、それらを囲る幽邃な背景が、エンジンの回転仕掛けで、めぐる、めぐる。
— 岡本かの子 『伯林の降誕祭』 青空文庫
男体山麓の噴火口は明媚幽邃の中禅寺湖と変わっているがこの大噴火口はいつしか五穀実る数千町歩の田園とかわって村落幾個の樹林や麦畑が今しも斜陽静かに輝いている。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
河の流れをたどって行く鉛筆の尖端が平野から次第に谿谷を遡上って行くに随って温泉にぶつかり滝に行当りしているうちに幽邃な自然の幻影がおのずから眼前に展開されて行く。
— 寺田寅彦 『夏』 青空文庫
作例 · 標準
山の奥深くにひっそりと佇むその寺は、幽邃な雰囲気を醸し出していた。
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彼の書斎は、都会の喧騒から離れた幽邃な場所にあった。
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幽邃な庭園を眺めていると、心が洗われるようだった。
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