ふわり
ふわり異読 ふうわり・ふーわり
副詞-と
標準
softly
文例 · 用例
と、眼の前に、ふわりと、雪の粉が落ちる……七月末の炎天である……直ぐ、水に吸い込まれて消える……また、頬を掠めて、ふわりと飛ぶ。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
外套をふわりと脱いだように、眼の前の霧の大かたまりが、音もなく裂けて、谷へ落ちた。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
あるいは花火のようなものに真綿の網のようなものを丸めて打ち上げ、それが空中でぱっと烏瓜の花のように開いてふわりと敵機を包みながらプロペラにしっかりとからみ付くというような工夫は出来ないかとも考えてみる。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
次にふわりとした暖かい空気が冷え切った顔にここちよく触れました。
— 国木田独歩 『あの時分』 青空文庫
浴槽の一|端へ後腦を乘て一|端へ爪先を掛て、ふわりと身を浮べて眼を閉る。
— 国木田独歩 『都の友へ、B生より』 青空文庫
しかも婦人の前、蝸牛が城を明け渡したようで、口を利くさえ、まして手足のあがきも出来ず、背中を円くして、膝を合せて、縮かまると、婦人は脱がした法衣を傍らの枝へふわりとかけた。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
その時、頤の下へ手をかけて、片手で持っていた単衣をふわりと投げて馬の目を蔽うが否や、兎は躍って、仰向けざまに身を翻し、妖気を籠めて朦朧とした月あかりに、前足の間に膚が挟ったと思うと、衣を脱して掻取りながら下腹をつと潜って横に抜けて出た。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
下手な者は無理に弓の毛を弦に押しつけこすりつけてそうしてしいていやな音をしぼり出しているように見えるが、上手な玄人となると実にふわりと軽くあてがった弓を通じてあたかも楽器の中からやすやすと美しい音の流れをぬき出しているかのように見える。
— 寺田寅彦 『「手首」の問題』 青空文庫