ずしん
ずしん
副詞
標準
文例 · 用例
」 ずしん、地の底へ響く声がした。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
鼈四郎は、再び首尾はいかがと張り詰めていたものが食品の皿が片付けられる毎に、ずしんずしんと減って、気の衰えをさえ感ずるのだった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
莞爾とその時、女が笑った唇が、縹色に真青に見えて、目の前へ――あの近頃の友染向にはありましょう、雁来紅を肩から染めた――釣り下げた長襦袢の、宙にふらふらとかかった、その真中へ、ぬっと、障子一杯の大きな顔になって、私の胸へ、雪の釣鐘ほどの重さが柔々と、ずしん!
— 泉鏡花 『菊あわせ』 青空文庫
はッと腰を擡げると、膝がぶつかって蛸の脚、ひょろひょろと縺れて、ずしん、また腰を抜く。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
あなた――どうでしょう、天狗様の方が股が裂けそうな大胡坐で、ずしんと、その松の幹へよりかかると、大袈裟な胡坐ッたら。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
」 とたんに、綱を持つ駿介の手にずしんと來た手應へは、彼を極度の緊張にまで驅り立てた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
ずしんと重い物音がして鐵梃で打ち摧かれたやうな痛みをおぼえ、一度打ち倒され、またすぐ飛び上つた瞬間は、高い所から底まで、ずーんと一ぺんに落ちた感じで、眼がくらくらした。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
ちょうどそこにかなり酔ったらしい様子で、倉地が女将の案内も待たずにずしんずしんという足どりではいって来た。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫