顧慮
こりょ
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
concern
文例 · 用例
故に、生活を、殊には虚栄を、顧慮する限りに於て衰褪する底の、呆然見とれてゐる世界のことである。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
一方ではまた、審査する方が濫造の世評を顧慮して審査の標準を高め、上記の比率を低下させるようにするかも知れない。
— 寺田寅彦 『学位について』 青空文庫
しかし、そういう僻説を少しも修飾することなしにそのままに記録するということが、かえって賢明なる本講座の読者にとってはまた特殊の興味があるかと思うので、なんら他を顧慮することなくして、年来の所見をきわめて露骨に、しかも無秩序に羅列したまでである。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
」 べつにいいところでも無いけれど、そこだったら、まえにもしばしば行っているのだから、私がこんな異様な風態をしていても怪しまれる事は無いであろうし、少しはお勘定を足りなくしても、この次、という便利もあるし、それに女給もいない酒だけの店なのだから、身なりの顧慮も要らないだろうと思ったのである。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
人の不幸や、零落につけこんで、その秘密まで聞こうとするのは、決して心あるもののすることでないとは承知しながらも、彼に二度まで遇い、その遇うた場所と趣とが少からず自分を動かしたために、それらを顧慮することができなかったのである。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
それでともかくも、全く顧慮なしにいつでも来かかった最初の電車に飛び乗る人にとっては、すいたのにうまく行き会う機会が少なくて、込んだのに乗る機会が著しく多い。
— 寺田寅彦 『電車の混雑について』 青空文庫
連歌に始まり俳諧に定まった式目のいろいろの規則は和声学上の規則と類似したもので、陪音の調和問題から付け心の不即不離の要求が生じ、楽章としての運動の変化を求めるために打ち越しが顧慮され去り嫌い差合の法式が定められ、人情の句の継続が戒められる。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
小さな顧慮や思いやりが結局何になる。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
作例 · 標準
彼は、誰とも関わらず、ただ一人で静かに暮らす孤立の姿を選んだ。
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