湿潤
しつじゅん
形容動詞名詞
標準
damp
文例 · 用例
村雨又一|時はら/\と、露しげき下草を分けつゝ辿ると、藻を踏むやうな湿潤な汀がある。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
そうかと思うとたとえば、紫紅色の「つりふね草」は湿潤な水辺に多いが、これとよく似て黄色い「黄つりふね草」は、少なくもこの地では、丘の上や山腹に多いように見える。
— 寺田寅彦 『沓掛より』 青空文庫
よし此の地方が湿潤に過ぎるとしても、疲れたる我等が心のためには、柱は猶、余りに乾いたものと感はれ、頭は重く、肩は凝るのだ。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
はた、白む入日の色にしづしづと白衣の人らうちつれて湿潤も暗き戸口より浮びいでつつ、眩しげに数珠ふりかざし急げども、など知らむ、素肌に汗し熔けゆく苦悩の思。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
見るからに気候風吹く空の果銅色のうろこ雲|湿潤に燃えて恒河の鰐の脊のごとはらばへど、日は爛れ、大地はあはれ柚色の熱黄疸の苦痛に吐息も得せず。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
油じむ末黒の文字のいくつらね悲しともなく誦しゆけど、響らぐ声は※びてゆく鉛の悔、しかすがに、強き薫のなやましさ、鉛の室はくわとばかり火酒のごとき噎びして壁の湿潤を玻璃に蒸す光の痛さ。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
四十二年一月 夜の官能湿潤ふかき藍色の夜の暗さ……酸のごとき星あかりさだかにはそれとわかねど濃く淡き溝渠の陰影に、青白き胞衣会社ほのかににほひ、※多く、而もみな閉したる真四角の煙艸工場の煙突の黒みより灰ばめる煤と湯気なびきちらぼふ。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
湿潤ふかき藍色の夜の暗さ……かへりみすればいと黒く、はた、遠き橋のいくつのそのひとつ青うきしろひ、神経の衰弱にぞ絶間なく電車過ぎゆき、正面なる新橋の天鵝絨の空の深みにさまざまの電気燈の装飾、そを脱けて紫の弧燈にほやかにひとつ湿れる。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
作例 · 標準
夏の日本の気候は高温湿潤で、蒸し暑い日が多い。
Illusions AI · gemini-2.5-flash
湿潤な環境は、カビの発生を促進する。
Illusions AI · gemini-2.5-flash
彼の肌はいつも湿潤していて、とても健康そうだ。
Illusions AI · gemini-2.5-flash