色香
いろか
名詞
標準
loveliness
文例 · 用例
……それと見て、つかつかと、小刻みながら影が映す、衣の色香を一目見ると、じたじたとなって胴震いに立窘むや否や、狼狽加減もよっぽどな、一度駆出したのを、面喰って逆戻りで、寄って来る清葉の前を、真角に切って飛んで遁げた、赤熊の周章てた形は、見る見る日本橋の袂へ小さくなって、夜中に走る鼬に似ていた。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
路をしたうて來た蝶は居ないが、誘ふ袂に色香が時めく。
— 泉鏡太郎 『艶書』 青空文庫
尾上に遙に、崖に靡いて、堤防に殘り、稻束を縫つて、莖も葉も亂れ亂れて其は蕎麥よりも赤いのに、穗は夢のやうに白い幻にして然も、日の名殘か、月影か、晃々と艶を放つて、山の袖に、懷に、錦に面影を留めた風情は、山嶽の色香に思を碎いて、戀の棧橋を落ちた蒼空の雲の餘波のやうである。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
――既に、草刈り、柴刈りの女なら知らぬこと、髪、化粧し、色香、容づくった町の女が、御堂、拝殿とも言わず、この階に端近く、小春の日南でもある事か。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
宿場女郎のさびれた色香にひかされて通ふ身の上でもなかつた。
— 平出修 『二黒の巳』 青空文庫
」「色香滴るゝ如し……分つてる。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
――夢心地の背をドンと一ツ撲たれたやうに、そも/\人口……萬、戸數……萬なる、日本第二の大都の大木戸に、色香も梅の梅田に着く。
— 泉鏡太郎 『大阪まで』 青空文庫
深張の涼傘の影ながら、なお面影は透き、色香は仄めく……心地すれば、誰憚るともなく自然から俯目に俯向く。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の立ち居振る舞いには、言葉では言い表せないような独特の色香があった。
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その古い物語に登場する姫君は、読者の心に永遠の色香を残した。
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季節の花々が咲き誇り、庭全体に甘い色香が漂っていた。
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標準
colour and scent
作例 · 標準
バラの花束は、鮮やかな色香が部屋いっぱいに広がり、訪れた人を魅了した。
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香水は、繊細な色香の調和で、身につける人の個性を引き立てる。
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初夏の新緑は、目に鮮やかな色合いと、土の匂い立つような色香を運んできた。
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