纏繞
てんじょう
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
twining around
文例 · 用例
三ノ池は一ノ他の半分ほどしかないが、木が茂って松蘿が、どの枝からも腐った錨綱のようにぶら下っている、こればかりではない、葛、山紫藤、山葡萄などの蔓は、木々の裾から纏繞いて翠の葉を母木の胸に翳し、いつまでもここにいてと言わぬばかりに取り縋っている。
— 小島烏水 『梓川の上流』 青空文庫
これから後は、これが弥筆端に纏繞して、厭うべき拘束を加えようとするであろう。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
此間貧窮は例に依つて柏軒に纏繞してゐたらしい。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
屍体頸部には絞縛したる褶痕と鬱血、その他の索溝相交って纏繞せり、然れども気管喉頭部、及、頸動脈等も外部より損傷を認むる能わず。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
櫂の音を忍ばせながら、そろそろと舟を進め、根茎が纏繞植物のように絡み合っている薄暗い岸に上陸し、篁を先頭にして縦隊をつくり、用心深く網羊歯の中を進んでいった。
— 久生十蘭 『地底獣国』 青空文庫
右のあけびもみつばあけびも植物学上からいえば、共にその蔓が左巻きをしている纏繞藤本で、すなわち灌木が蔓を成したもので、それはふじなどと同格である。
— 牧野富太郎 『アケビ』 青空文庫
この詩形にあつては、詩語がある音楽的な週期的な繰返しを以て、不思議に情緒に纏繞してくるやり方で、それの語意によつてよりもそれの語感の感触で、一篇のポエジイを成立たしめてゐるのである。
— 三好達治 『万葉集の恋歌に就て』 青空文庫
短歌のあの五七、五七と繰りかへして最後に更に七とつけ加へた、短小ながら確乎として音楽的形式を踏んだ、嫋嫋とした詩語の纏繞性は、他の如何なる主題を撰んだ場合よりも、恋愛を歌ふに適当してゐるといつても、必ずしも牽強の言ではあるまい。
— 三好達治 『万葉集の恋歌に就て』 青空文庫
作例 · 標準
蔓草が古い柱に纏繞し、独特の風情を醸し出している。
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彼女の髪は、まるでツタのように優雅に纏繞していた。
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その彫刻は、蛇が柱に纏繞する姿を細やかに表現している。
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