悪声
あくせい
名詞
標準
bad voice
文例 · 用例
如何に罵られても、この夜ばかりは恨みにきかず、立ちどころに言い返して勝てば、一年中の福があるのだとばかり、智慧を絞り、泡を飛ばし、声を涸らし合うこの怪しげな行事は、名づけて新手村の悪口祭りといい、宵の頃よりはじめて、除夜の鐘の鳴りそめる時まで、奇声悪声の絶え間がない。
— 織田作之助 『猿飛佐助』 青空文庫
すると、老人にわかに狼狽して、「はや一番鶏の鳴声が……、やがて山里にげす共の悪声が喧しい。
— 織田作之助 『猿飛佐助』 青空文庫
君子交り絶えて悪声を放たずと言うに、自己の些細な給料を増さんとて、昨日まで奉祀して衣食の恩を受けたる神の社殿を、人を傭いてまでも滅却せんとする前科者の神職あるも、昭代の逸事か。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
理髪所の主は、飲酒家である僕の当来を期待してゐた飲酒家であつたが、予期に脱れてこんな僕が現れたので、常々から不平であり、多少の悪声を放つてゐるらしかつた。
— 牧野信一 『ベツコウ蜂』 青空文庫
僕が酒を飲まないために悪声を放たれたなんていふことは最初の経験である。
— 牧野信一 『ベツコウ蜂』 青空文庫
」 するとBは酒飲みらしくもなく妙に赤くなつて(それは彼が稀代の悪声家だからである。
— 牧野信一 『くもり日つゞき』 青空文庫
」 かうした悪声を放つた人達も、そこに来て、その状態を見ては、思はず不思議な思ひに撲たれた。
— 田山花袋 『ある僧の奇蹟』 青空文庫
路が其処から川の方に曲つて居るので、それについて左に曲り、猶半町ほど辿つて行くと、もう其処は尾谷川の崖で、石に激する水声が、今迄|種々な悪声を聞いた自分の耳に、殆ど天上の音楽の如く聞える。
— 田山花袋 『重右衛門の最後』 青空文庫
作例 · 標準
例文1
例文3
例文5
例文7