濁声
だくせい
名詞
標準
thick voice
文例 · 用例
寺田寅彦さんと云う方は御座らぬかとわめくボーイの濁声うるさければ黙って居けるがあまりに呼び立つる故オイ何んだと起き上がれば貴方ですかと怪訝顔なるも気の毒なり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
階子段の上から帳場に向けて、註文をとほす金切声の間に、かういふ店の客に似合はしいやうな、書生上りの匂ひのからまり付いた濁声がこゝを先途とがなり立てられてゐた。
— 有島武郎 『骨』 青空文庫
」 濁声斉しく、じろりお鶴に眼を注いだ、霧はなけれど、ぼやけた奴等。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
」と唐突に奇声を放った、濁声の蜩一匹。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
狼藉者の一個は濁声を潜めて、「おう、姉さん、懐中のものを出しねえ」「じたばたすると、これだよ、これだよ」 かく言いつつ他の一個はその庖丁を白糸の前に閃かせば、四|挺の出刃もいっせいに晃きて、女の眼を脅かせり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
室に入れば野人斗酒を酌んで樽を撃ち、皿を割り、四壁に轟く濁声をあげて叫んで曰く、ザールの首を肴にせむと。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
西瓜は指で弾けば濁声を発するようになった。
— 長塚節 『太十と其犬』 青空文庫
」「どうだかね……」と、彼は、でれでれした濁声を挙げてセヽら笑つた。
— 牧野信一 『「悪」の同意語』 青空文庫
作例 · 標準
長年の喫煙のせいか、彼の声は渋みのある濁声になっていた。
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風邪をこじらせてしまい、すっかり濁声で話すのも辛い。
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酒場の奥から、酔っ払いたちの太い濁声が響いてくる。
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