唇頭
しんとう
名詞
標準
tip of the lips
文例 · 用例
」 渠は唇頭に嘲笑したりき。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
修道の一念甚だ危ふく、あはや餓鬼道に迷ひ入らんとせし事もあり、天地の間に生れたるこの身を訝かりて、自殺を企てし事も幾回なりしか、是等の事、今や我が日頃無口の唇頭を洩れて、この老知己に対する懺悔となり、刻のうつるも知らで語りき。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
その面は和ぎて一点の怒気だにあらず、寧ろ唇頭には笑を包めるなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
それでも、歯の折れた唇頭は矢張り少しあいていた。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
何事ぞ、眞の武士の唇頭に上ぼすも忌はしき一女子の色に迷うて、可惜月日を夢現の境に過さんとは。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
」 鼻の高い、眼光の鋭い顔が一つ、これはやや皮肉な微笑を唇頭に漂わせながら、じっと呂馬通の眉の間を見ながら、こう云った。
— 芥川龍之介 『英雄の器』 青空文庫
すると相手は、嘲るような微笑をちらりと唇頭に浮べながら、今度は静な口ぶりで、わざとらしく問いかけた。
— 芥川龍之介 『西郷隆盛』 青空文庫
『政治をやつて居る間に、肝腎の人民が亡んでしまつた』一語、煙のやうに翁の唇頭を洩れた。
— 木下尚江 『政治の破産者・田中正造』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は何かを言いたげに、わずかに唇頭を震わせたが、結局言葉は紡がれなかった。
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赤ちゃんの唇頭にミルクの滴がついていて、とても愛らしい。
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乾燥がひどく、唇頭がひび割れて痛かったので、リップクリームを塗った。
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