欷歔
ききょ
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
sobbing
文例 · 用例
遂にかすかな欷歔の声を立て両手をひしと組み合せ、蓮月の後姿を拝む。
— 岡本かの子 『ある日の蓮月尼』 青空文庫
欷歔の声漸次大きくなる。
— 岡本かの子 『ある日の蓮月尼』 青空文庫
鶴木検事の顔を正視してビクビクと咽喉を引釣らせていたが、そのままドッカリと椅子に腰を卸すと、応接机の上に突伏してギクギクと欷歔し始めた。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
かの筆にも言語にも言ひ尽し難き情趣の限なき振動のうちに幽かなる心霊の欷歔をたづね、縹渺たる音楽の愉楽に憧がれて自己観想の悲哀に誇る、これわが象徴の本旨に非ずや。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
哀れ、我ら近代邪宗門の徒が夢寝にも忘れ難きは青白き月光のもとに欷歔く大理石の嗟嘆也。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
その空に、その苑に、ほのの青みに静かなる欷歔泣きもいでつつ、いづくにか、さまだるる愛慕のなげき。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
子はまたも暗涙せぐるかなしさに大ぞらながめ、欷歔しつつ九年母むきぬ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
明日は葬らではかなわぬに、家に一銭の貯えだになし」 跡は欷歔の声のみ。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫
作例 · 標準
彼女はハンカチで顔を覆い、漏れ出る欷歔を必死に抑えようと肩を震わせていた。
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静まり返った真夜中の自室に、微かな欷歔の音だけが虚しく響いている。
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「うっ、うう……」と、彼は暗がりの隅で一人、欷歔に耽りながら過去を悔やんだ。
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