新涼
しんりょう
名詞
標準
coolness of autumn
文例 · 用例
然も刈萱の蓑いつしかに露繁く、芭蕉に灌ぐ夜半の雨、やがて晴れて雲白く、芙蓉に晝の蛬鳴く時、散るとしもあらず柳の葉、斜に簾を驚かせば、夏痩せに尚ほ美しきが、轉寢の夢より覺めて、裳を曳く濡縁に、瑠璃の空か、二三輪、朝顏の小く淡く、其の色白き人の脇明を覗きて、帶に新涼の藍を描く。
— 泉鏡花 『月令十二態』 青空文庫
例へば「涼し」と言へる語は和歌には夏にも用ゐまた秋涼にも多く用ゐたるを、俳句には全く夏に限りたる語とし、秋涼の意には初涼、新涼等の語を用ゐしが、今は漸くにその語も廃れ涼の字はただ夏季専用の者と為れり。
— 正岡子規 『俳諧大要』 青空文庫
新涼の秋気はすでに二階の部屋にも満ちて来た。
— 島崎藤村 『秋草』 青空文庫
新涼の秋氣はすでに二階の部屋にも滿ちて來た。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
四時前起床、朝月のある新涼風景、しばらくして空襲警報のサイレンが鳴りわたつた、そしてなごやかな夜が明けはなれた。
— 種田山頭火 『一草庵日記』 青空文庫
連歌及び俳句にては「涼し」「涼風」「涼み」などを夏季と定め、秋季には特に「秋涼」「初涼」「新涼」等の語を用うる事と定まりぬ、蓋し「すゞし」といふ語は初め三伏の暑気退きて秋涼漸く至るの意に用ゐられたる者が、後には三伏の暑気灼くが如き中に(風又は水等のために)特に涼しく感ずるの意に変じたるなり。
— 正岡子規 『すゞし』 青空文庫
」以て発程が新涼の節に当つてゐたことを知るべきである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
(10) 時間の句やがてきづく菊の小雨や秋袷 みどり新涼や月光うけて雨しばし あふひいつとなく木立もる灯やくれの秋 同 秋袷の女がいる。
— 杉田久女 『大正女流俳句の近代的特色』 青空文庫
作例 · 標準
八月も下旬に入り、朝夕には新涼を感じるようになった。
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新涼の候、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
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「ああ、新涼の風が心地よいね。秋の訪れを感じるよ。」
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