爽涼
そうりょう
名詞
標準
文例 · 用例
私は愛という単一神を信じたく内心つとめていたのであるが、それでもお医者の善玉悪玉の説を聞くと、うっとうしい胸のうちが、一味|爽涼を覚えるのだ。
— 太宰治 『満願』 青空文庫
桜桃の花びらだけでは、はじめての人には少し匂ひが強すぎるかも知れないから、桜桃五、六粒と一緒に舌の上に載せると、しゆつと溶けて適当に爽涼のお酒になります。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
櫻桃の花びらだけでは、はじめての人には少し匂ひが強すぎるかも知れないから、櫻桃五、六粒と一緒に舌の上に載せると、しゆつと溶けて適當に爽涼のお酒になります。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
爽涼なる朝風は我感情を冷却せり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
この世でなければ見る事の出来ない明瞭な程度と、これに伴う爽涼した快感をもって、他界の幻影に接したと同様の心持になったのである。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
陽が射して来ると、空気がからりと乾いて、空の高い、爽涼な夏景色が展けて来た。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
ゆつくりと窓を開けると、かあつとした高原の空と、緑は、お互ひに、上と下とが反射しあつてゐるかのやうな爽涼さであつた。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
「どれ、この爽涼の気持ちで線を引こう」 私は筆へ丹念に墨をふくます。
— 上村松園 『棲霞軒雑記』 青空文庫