鋼線
こうせん
名詞
標準
steel wire
文例 · 用例
太郎坊へ着いて見ると、戸は厳重に釘づけにされ、その上に材木を筋交えに抑えにして、鋼線で結びつけてあるが、寂ッそりとして、人の気はなく、案内者の咳払いが、沈んだ空気を乱しただけだ。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
けれども、滅びるといって、敢てこの部落が無くなるという意味ではない、衰えるという意味ではない、人と家とは栄えるので、進歩するので、繁昌するので、やがてその電柱は真直になり、鋼線は張を持ち、橋がペンキ塗になって、黒塀が煉瓦に換ると、蛙、船虫、そんなものは、不残石灰で殺されよう。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
けれども、滅びるといつて、敢て此の部落が無くなるといふ意味ではない、衰へるといふ意味ではない、人と家とは榮えるので、進歩するので、繁昌するので、やがて其電柱は眞直になり、鋼線は張を持ち、橋がペンキ塗になつて、黒塀が煉瓦に換ると、蛙、船蟲、そんなものは、不殘石灰で殺されよう。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
ははあ、来る道で、向の小山の土手腹に伝わった、電信の鋼線の下あたりを、木の葉の中に現れて、茶色の洋服で棒のようなものを持って、毛虫が動くように小さく歩行いている形を視た。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
烏が引啣えて飛ぼうとしたんだろう……可なり大な重い蛇だから、飛切れないで鋼線に留った処を、電流で殺されたんだ。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
」 と、葭簀を出る、と入違いに境界の柵の弛んだ鋼線を跨ぐ時、莨を勢よく、ポンと投げて、裏つきの破足袋、ずしッと草を踏んだ。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
潦の傍には、鋼線で拵へた樣な、骨と皮ばかりに痩せて了つた赤犬が一疋坐つてゐた。
— 石川啄木 『散文詩』 青空文庫
仰向けになって鋼線のような脚を伸したり縮めたりして藻掻く様は命の薄れるもののように見えた。
— 有島武郎 『カインの末裔』 青空文庫
作例 · 標準
吊り橋の巨大なメインケーブルを支えるために、数千本もの鋼線が束ねられている。
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ピアノの内部には太さの異なる鋼線が張り巡らされており、それぞれが独特の音色を奏でる。
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海岸沿いの柵には、塩害に強い特殊コーティングを施した鋼線が採用された。
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