香煎
こうせん
名詞
標準
flour made from parched barley
文例 · 用例
「お欠餅を焼いて、熱い香煎のお湯へ入れてあげるから、それを食べてご覧よ。
— 岡本かの子 『桃のある風景』 青空文庫
」―― 清葉の眉の上ったのを見て、茶の缶をたたく叔母なるものは、香煎でもてなすことも出来ないで、陰気な茶の間が白けたのであったが。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
こうして親しげに話していて、隣に座っている娘と、何か紙一重|距てたような、妙な心の触れ合いのまま、食後の馥郁とした香煎の湯を飲み終えると、そこへ老主人が再び出て来て挨拶した。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
冷水に、ちらちらと白いものが浮かしてある、香煎は色がありましょう、あられか、菓子種か、と思ったのが、何と、志は甘かった、が、卯の花が浮かしてあったんです。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
女房は忙しい思ひをしながら麥を熬つて香煎も篩つて置いた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
亭主は又苗束へ香煎を少し振り掛けた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
兼博勞が顧みた時女房等は割つた燭奴の先を突つ掛けては香煎を口へ含んで面倒に嘗めて居たのであつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
「香煎嘗めんのにや、笑つちやいかねえつちけぞ、おめえ等」兼博勞はいつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
作例 · 標準
煎った麦を粉にした香煎を練って、砂糖を混ぜて作ったおやつは、素朴で懐かしい味がする。
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「おばあちゃんの家に行くと、いつも香煎の香ばしい匂いが漂っていたのを思い出すなあ」
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保存食としても優秀な香煎は、旅人が懐に忍ばせて小腹が空いた時に食べていたという。
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標準
powdered roast grain mixed with herbs, spices, dried citrus peel, etc. (added to hot water to make a drink)
作例 · 標準
お湯に溶かした香煎を一口飲むと、麦の香ばしさが口いっぱいに広がり、心がホッとする。
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「夏場は冷たい水で香煎を溶いて、氷を浮かべて飲むのが最高に贅沢なんですよ」
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茶道の待ち合いで出された香煎には、ほんのりと紫蘇の香りが添えられていて風流だった。
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