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父君

ふくん異読 ちちぎみ
名詞
1
標準
father
文例 · 用例
彼は彼女が、今は昔恋の罪のために父君から塔の中に幽閉せられるやうになつた姫に関する悲しい歌をうたふのを聞いた。
中原中也 ヂェラルド・ド・ネルヴァル 青空文庫
一通りの挨拶終つて後、夫人は愛兒を麾くと、招かれて臆する色もなく私の膝許近く進み寄つた少年、年齡は八|歳、名は日出雄と呼ぶ由、清楚とした水兵風の洋服姿で、髮の房々とした、色のくつきりと白い、口元は父君の凛々しきに似、眼元は母君の清しきを其儘に、見るから可憐の少年。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
』と少年は兩手を鐵欄の上に載せて『父君はもう家へお皈りになつたでせうか。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
』と語ると、夫人も微かにうち點頭き、俯伏して愛兒の紅なる頬に最後の接吻を與へ、言葉やさしく『日出雄や、お前は今此災難に遭つても、ネープルスで袂別の時に父君の仰つしやつたお言葉を忘れはしますまいねえ。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
』と少年は、今は夢の間、懷かしき父君母君に出逢つて居るのである。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
少年齡漸く八|歳、此悲境に落ちて、回顧してあの優しかりし母君の姿や、ネープルスで別れた父君の事などを懷ひ浮べた時は、まあどんなに悲しかつたらう、今、一片のパンも一塊の肉もなき此みじめな艇中を見廻して、再び私の顏を眺めた姿は、不憫とも何とも言はれなかつた。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
私は未だ此大佐とは甞て面會した事は無いが、兼て聞く櫻木海軍大佐とは無二の親友で、また、私の爲には終世忘るゝ事の出來ない、かの春枝夫人の令兄――日出雄少年の爲には叔父君に當つて居る人。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
先刻一目見て直ぐ誰人かに似て居ると想つたのは其筈よ、誰あらう、此日の出艦長こそ、春枝夫人の令兄、日出雄少年の叔父君なる松島海軍大佐であつたのかと。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
作例 · 標準
王子は父君である王に対して多大な敬意を示した。
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