浮世離れ
うきよばなれ
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
otherworldliness
文例 · 用例
斯かる時芸術家が、否応なしに逐ひやられるのは風物の方へであり、世間がセチ辛くなればなる程、詩の方は却て浮世離れがして来るなぞといふことも、ありさうでないことではない。
— 中原中也 『詩と現代』 青空文庫
牡丹の大株にも見紛ふ、この芍薬は周囲の平板な自然とは、まるで調子が違つてゐて、由緒あり気な妖麗な円光を昼の光の中に幻出しつゝ浮世離れて咲いてゐた。
— 岡本かの子 『小町の芍薬』 青空文庫
」 と、余念なさそうに頷いた――風はいま吹きつけたが――その不思議に乱れぬ、ひからびた燈心とともに、白髪も浮世離れして、翁さびた風情である。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
フランス人形や希臘のタナグラ人形や造花や、中世紀の婦人携帯品が並べてある陳列棚に囲まれ、浮世離れた包装室の雰囲気の中で、美しいものを産むことに身を委ねていればよいのです。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
寄り合う人々はみんなまじめな浮世離れのした中年以上の学者ばかりである。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
唯此処の浮世離れがして寂しいのが気に入つたので、何処にも行かないで居るのだと云ふ。
— 泉鏡花 『貴婦人』 青空文庫
三とせの間、同じ窓にいそみし身の、江湖の外にうちとけて、浮世離れし茅店に川臥して、しづかに雨を聽くも、さすがに興なきにあらず。
— 大町桂月 『房州紀行』 青空文庫
遠近の僧院庵室に漸く聞ゆる經の聲、鈴の響、浮世離れし物音に曉の靜けさ一入深し。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
作例 · 標準
例句