淫祠
いんし
名詞
標準
shrine of evil deity
文例 · 用例
私が花田君子を家畜のように愛撫した時世から、いまでは私は淫祠的な日本人の肉感と、彼女が私になす虐待をあまんじて受けなくてはならぬ。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
まかり間違うと、鼻持ちならぬキザな虚栄の詠歎に似るおそれもあり、または、呆れるばかりに図々しい面の皮千枚張りの詭弁、または、淫祠邪教のお筆先、または、ほら吹き山師の救国政治談にさえ堕する危険無しとしない。
— 太宰治 『父』 青空文庫
社会の風教を乱すような邪教|淫祠、いかがわしい医療方法や薬剤、科学の仮面をかぶった非科学的無価値の発明や発見、そういうものに世人の多くが迷わされて深入りしない前にそれらの真価を探求したい。
— 寺田寅彦 『一つの思考実験』 青空文庫
福を得んとするの極、所謂淫祠邪神に事ふるをも辭せずして、白蛇に媚び、妖狐に諂ふ如きに至つては、其の醜陋なること當り難きものであるが、滔々たる世上幾多の人が、或は心を苦め、或は身を苦め、營々孜々として勉め勤めてゐるのも、皆多くは福を得んが爲なのであると思へば、福に就て言を爲すも亦徒爾ではあるまい。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
つまり神職もなく、財産、社地も定まらざる廃社同前のもの、また一時流行、運命不定の淫祠、小祠の類を除き、その他在来の神社を確立せしめんと力めたるもののごとし。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
しかし福を得ようとする余り、いわゆる淫祠邪神を信じ白蛇に媚び妖狐に諂うような、そんな醜い事には触れたくもないが、滔々と流れる世の中に於いて、多くの人が心を苦め身を苦め精を出し励んでいるのも、皆多くは福を得ようとする為なのだと思えば、福について言を為すのもまた無駄ではあるまい。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
既に先年|合祀を強行して、いわゆる基本財産の多寡を標準とし、賄贈請託を魂胆とし、邦家発達の次第を攷うるに大必要なる古社を滅却し、一夜造りの淫祠を昇格し、その余弊今に除かれず、大いに人心|蕩乱、気風壊敗を致すの本となった。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
すると家の近くの淫祠まで来たところで、隣りの主人とばったり出逢った。
— 原民喜 『顔の椿事』 青空文庫
作例 · 標準
村のはずれにある古い祠は、地域では「淫祠」として恐れられている。
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禁断の儀式が行われていたという噂のある、人里離れた場所の淫祠。
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「そんな危ない場所には近づかない方がいいよ!」と、友人が淫祠について警告した。
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