怪物
かいぶつ
名詞頻度ランク #13484 · 青空 3636 例
標準
monster
文例 · 用例
かくて古来真摯な芸術家が、謂はば伝説的怪物の如き印象を遺して逝つたことは示唆深きことである。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
一例として「えんこう」の話をとると、夕涼みに江ノ口川の橋の欄干に腰をかけているとこの怪物が水中から手を延ばして肛門を抜きに来る。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
そこで腰に鉄鍋を当てて待構えていて、腰に触る怪物の手首をつかまえてぎゅうぎゅう捻じ上げたが、いくら捻じっても捻じっても際限なく捻じられるのであった。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
彼には、その少年は、云わば怪物であった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
ジゴマ帽から、目と口と丈け出した五人の怪物見たいな坑夫たちは、ベルが急調になって来て、一度中絶するのを、耳を澄まし、肩を張って待った。
— 葉山嘉樹 『坑夫の子』 青空文庫
」怪物の青仮面をかぶった清介が威張って叫んでいます。
— 宮沢賢治 『種山ヶ原』 青空文庫
自分の能力を計らないで六かしい学問に志していっぱしの騎士になったつもりで武者修行に出かけて、そうしてつまらない問題ととっ組み合って怪物のつもりでただの羊を仕とめてみたり、風車に突きかかって空中に釣り上げられるような目に会ったことはなかったかどうか、そんなことを考えない訳にはゆかなかった。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(2)』 青空文庫
こういう怪物が真暗な深海の底を照らして游泳する処もまた一奇観であろうと思われる。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫