艶書
えんしょ異読 えんじょ・えんぞ
名詞
標準
love letter
文例 · 用例
七日、辛酉、相模次郎朝時主、女事に依りて御気色を蒙る、厳閤又義絶するの間、駿河国富士郡に下向す、彼の傾公は、去年京都より下向す、佐渡守親康の女なり、御台所の官女たり、而るに朝時好色に耽り、艶書を通ずと雖も、許容せざるに依り、去夜深更に及びて、潜かに彼局に到りて誘ひ出すの故なりと云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
双方手だれのくせものであるから、何の事は無い恋愛弁理士同士の雄弁巧説、うるわしかりける次第なりと云った形で、斯様いうことのつづきの末が、高武蔵守師直という厭なじじいが、卜部の兼好という生ぐさ坊主に艶書の注文をしたなどという談を生ずるに至っているのである。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
清代第一の艶書、翁が得意だと聞いてはいるが、待った、待った。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
」 と上目づかいに、酒の呼吸を、ふっと吐いて、「学海|説一雪紅楼夢――待った、待った、第一の艶書を、あの娘に説かれては穏かでない。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
けれども、男の膚は知らない処女の、艶書を書くより恥かしくって、人目を避くる苦労に痩せたが、病は嵩じて、夜も昼もぼんやりして来た。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
三面|艶書の記者の言、何ぞ、それしかく詩調を帯びて来れるや。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
噂に依ると、塚越は運動場に艶書を落したのを生徒監に拾はれたのが、この事の起りであるさうだつた。
— 牧野信一 『塚越の話』 青空文庫
当時彼は明治音楽院に通ひたりしに、ヴァイオリンのプロフェッサアなる独逸人は彼の愛らしき袂に艶書を投入れぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
作例 · 標準
机の引き出しから、高校時代にもらった艶書を見つけた。
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彼は初めて彼女に艶書を書き、夜通し悩んだ。
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古い時代には、歌に込めて艶書を送る習慣があったらしい。
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