宝物
たからもの異読 ほうもつ
名詞頻度ランク #11813 · 青空 922 例
標準
treasure
文例 · 用例
主人は関わずに中へ通り、棚に並べてある宝物に向って、私にこれを写生しとき給えと命じた。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
)と濁った声を出して白痴が件のひょろりとした手を差向けたので、婦人は解いたのを渡してやると、風呂敷を寛げたような、他愛のない、力のない、膝の上へわがねて宝物を守護するようじゃ。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
頭の悪い人足ののろい人がずっとあとからおくれて来てわけもなくそのだいじな宝物を拾って行く場合がある。
— 寺田寅彦 『科学者とあたま』 青空文庫
その時に見た宝物や襖の絵などはもう大概きれいに忘れてしまっているが、その時の案内者の一種の口調と空虚な表情とだけは今でも頭の底にありありと残っている。
— 寺田寅彦 『案内者』 青空文庫
人の大事にするものを取って来るのは何でもないが、私がいう宝物は、山の霊、水の精、また天道様が大事に遊ばすものもあろう。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
「これは有名な貝の火という宝物だ。
— 宮沢賢治 『貝の火』 青空文庫
これはうちの宝物なんだから、おっかさんのだよ」そしてホモイは立って家の入り口の鈴蘭の葉さきから、大粒の露を六つほど取ってすっかりお顔を洗いました。
— 宮沢賢治 『貝の火』 青空文庫
かうして、ぢつとこゝに立つて、ぢつと此扉の中を覗き込んで居ると、どうやら自分ばかりが見ることの出来る不思議の宝物が蔵つてあつて、そこに富と幸福とが、水銀を撒いたやうに散らばつて居る。
— 平出修 『夜烏』 青空文庫