潮気
しおけ
名詞
標準
salt air
文例 · 用例
父親譲りの古いウォルサムもので、潮気と暑気とのために懐中時計の狂い勝ちな南洋にあっても、容易に狂いを見せない上等品である。
— ※ 『南島譚』 青空文庫
海潮の気を潮気といい、山岳の気を山気というように、河気といい、沢気といい、野気といい、泉気といい、虹気といい、暈気といい、塵気といい、雲気といい、日輪の両傍に現われるものを珥気という類で、実に数限りもないが、これ等もまた皆その物より発するその微分子のようなものを称すると理解して差支えない。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
△岡田昇――『凪』漁師の母子の生活が良く出てゐた、ただ画面が汚ない感がした、生活的な庶民性を描くこと賛成であるが、画面はあくまで美しく処理することである、海のやゝカサ/\とした潮気を含んだ画面の効果はよく出てゐた。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
その時分には、好く海岸に大きな波が立って海が脹らんだように見え、潮気を含んでべとべとするような風が吹いて、麦の穂の上を白い蝶が物憂そうに飛んだ。
— 田中貢太郎 『村の怪談』 青空文庫
昼間の、あの焼けつくような暑さは、もうどこへやら潮気をふくんだ夜風が、刃物のように冷たい。
— 海野十三 『浮かぶ飛行島』 青空文庫
運河の岸まで歩いて来ると、潮気のある風が海から吹いて来て、二人の着物の裾を翻す。
— BALTHASAR ALDRAMIN. KURZE LEBENSGESCHICHTE AUS DEM ALTEN VENEDIG. 『復讐』 青空文庫
と同時にド――ッとばかり、潮気を含んだすがすがしい風が、石棺の口から吹き上がった。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
○潮気たつ荒磯にはあれど行く水の過ぎにし妹が形見とぞ来し 〔巻九・一七九七〕 柿本人麿歌集「紀伊国にて作れる歌四首」という、人麿歌集出の歌があるが、その中の一首である。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
作例 · 標準
海に近いこの家は、常に潮気を含んだ風が吹き抜けていく。
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潮気のせいで自転車のチェーンがすぐに錆びてしまうのが、港町の悩みだ。
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窓を開けると、夏の香りに混じって独特の潮気が部屋に流れ込んできた。
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