偶像破壊
ぐうぞうはかい
名詞
標準
iconoclasm
文例 · 用例
しかしこの方面の批評をした人の中には、「世間がファウストを本質以上に買い被っていた迷を、私の平俗な文と演出者の率直な技とで打破したのだ、私と演出者とは偶像破壊者だ」と云った人もある。
— 森鴎外 『訳本ファウストについて』 青空文庫
これは一種の諷刺のようにも聞き取られるが、ある友達の云うには、あれはやはり真に偶像破壊と云うことを快事だとして言ったのだろうと云うことである。
— 森鴎外 『訳本ファウストについて』 青空文庫
偶像破壊の世の中でも古いものを全然棄てゝ了う事は出来ない。
— 内田魯庵 『駆逐されんとする文人』 青空文庫
文人が文章に気を揉むのは当然のようであるが、今日の偶像破壊時代の文人は過去の一切の文章型を無視して、同じ苦むにしてもこれまでの文章論や美辞法からは全く離れて自由であるべきはずである。
— 内田魯庵 『二葉亭余談』 青空文庫
椿岳の画の豪放|洒脱にして伝統の画法を無視した偶像破壊は明治の初期の沈滞|萎靡した画界の珍とする処だが、更にこの畸才を産んだ時代に遡って椿岳の一家及び環境を考うるのは明治の文化史上頗る興味がある。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
東京が代表する官僚的思想に対して、いつの場合でも反抗的、もしくは偶像破壊的な新運動を起すものは大阪である。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
偶像破壊者であるが故に、デイストである。
— ――Our faith comes in moments; 『錯覚した小宇宙』 青空文庫
禅学徒の中には、偶像や象徴によらないでおのれの中に仏陀を認めようと努めた結果、偶像破壊主義者になったものさえある。
— 茶の本 『茶の本』 青空文庫