印譜
いんぷ
名詞
標準
book of seals
文例 · 用例
この間知人に貰つた新しいいくつかの印譜のうち「双魚」を私は手紙の封に使ひ出した。
— 牧野信一 『私の一日』 青空文庫
『我楽多文庫』は第十号から京伝馬琴|種彦らの作者の印譜散らしの立派な表紙が付き、体裁も整った代りに幾分か市気を帯びて来た。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
其二は浮世繪師の名を年代順に列記し、これに略傳を附したもので、末に狩野家數世の印譜を寫して添へてある。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
裾には朱で名家の印譜を画き、前の方に自分々々の遊印を出すので有つた)手伝ひをして、夜更けての帰りがけに、今の陸軍々医学校の前まで来た時に、あまりに懸命で、セリフの暗誦をしてゐた為に、少し折曲つてゐる道を忘れて、真直ぐに行つたので、忽ち溝の中へおツこちて、向臑をスリ向いたので有つた。
— 江見水蔭 『硯友社と文士劇』 青空文庫
男は色の黒い苦み走った、骨組の岩畳な二十七八の若者で、花色裏の盲縞の着物に、同じ盲縞の羽織の襟を洩れて、印譜散らしの渋い緞子の裏、一本筋の幅の詰まった紺博多の帯に鉄鎖を絡ませて、胡座を掻いた虚脛の溢み出るのを気にしては、着物の裾でくるみくるみ喋っている。
— 小栗風葉 『深川女房』 青空文庫
) 三沖本君に印譜を作りて貰ふべし。
— 芥川龍之介 『遺書』 青空文庫
印譜をしらべて見ると、渡辺崋山にも横山華山にも似寄った落款がない。
— 夏目漱石 『永日小品』 青空文庫
この間も寛畝を好きだという人が印譜から写真にしたものやら持ってきて、較べてみていたが、しまいにこの寛畝の畝の字に疑問な点があるとか言って難癖をつけて、それでおじゃんさ。
— 葛西善蔵 『贋物』 青空文庫
作例 · 標準
先祖代々の印譜を大切に保管している。
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この印譜には、有名な書家の印影が多数収められている。
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美術館で貴重な印譜の特別展が開催されている。
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ウィキペディア
印譜(いんぷ)とは、印籍の一種で、鑑賞や研究を目的として印章の印影および印款を中心に掲載した書籍である。原印を直接鈐した原鈐本と、模刻した印を鈐した鈐印本、木版などに写した翻刻本がある。中国や日本の近世・近代に文人や篆刻家によって盛んに刊行された。
出典: 印譜 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0