近習
きんじゅ異読 きんじゅう
名詞
標準
attendant
文例 · 用例
十八日、辛卯、伊賀前司朝光、和田左衛門尉義盛、北面の三間所に候す可きの由、今日武州伝へ仰せらる、彼所は、近習の壮士等を撰びて結番祗候せしむと云々、而るに件の両人は、宿老たりと雖も、古物語を聞召されんが為、之に加へらるる所なり。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
実朝の近習が、実朝の死と共に出家して山奥に隠れ住んでいるのを訪ねて行って、いろいろと実朝に就いての思い出話を聞くという趣向だ。
— 太宰治 『鉄面皮』 青空文庫
御近習、宮の中へ闖入し、人妻なればと、いなむを捕えて、手取足取しようとしたれば、舌を噛んで真俯向けに倒れて死んだ。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
婦が前髪にさしたのが、死ぬ時、髪をこぼれ落ちたというを拾って来て、近習が復命をした、白木に刻んだ三輪|牡丹高彫のさし櫛をな、その時の馬上の殿様は、澄して袂へお入れなさった。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
槍はびぬ、殿のお微行、近習まで身なりくづした華美づくし、槍は九尺の銀なんぽ、けふも酒、酒、明日もまた、通ふしだらの浮気づら、わたる日本橋ちらちらと雪はふるふる、日は暮れる、やあれ、やれ冷たしやの、槍のさき。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
小野は丹後国にて祖父|今安太郎左衛門の代に召し出されしものなるが、父田中|甚左衛門御旨に忤い、江戸御邸より逐電したる時、御近習を勤めいたる伝兵衛に、父を尋ね出して参れ、もし尋ね出さずして帰り候わば、父の代りに処刑いたすべしと仰せられ、伝兵衛諸国を遍歴せしに廻り合わざる趣にて罷り帰り候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書』 青空文庫
その子|宇平太は始め越中守|重賢の給仕を勤め、後に中務大輔治年の近習になって、擬作高百五十石を給わった。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書』 青空文庫
上樣は早業の達人、近習の者共にも手だれあり。
— 岡本綺堂 『修禪寺物語』 青空文庫