樹間
じゅかん
名詞
標準
space between trees
文例 · 用例
吾々は、この映画を見ることによって、吾々自身が森の樹間をかける山鳩や樫鳥になってしまうのである。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
只、取残された昔のかたみとして、なかば朽ちている軒が、かすかに樹間を通して外から気味悪く窺われていた。
— 岡本かの子 『窓』 青空文庫
箱根を進発してすぐに峠にさしかかり、振りかへつてみると箱根の湖は樹間に小さくいぢらしげに碧水を湛へてゐるのが眼下に見えました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
別に抗弁するのでも無ければ、駁撃するというでも無く、樹間の蝉声、聴き来って意に入るもの無し、という調子にあしらって終った。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
遊び疲れたヴィナスが森の奥の奥の冷い泉で、汗ばんだ四肢をこっそり洗っていると、あちらの樹間に、また、ついそこの草の茂みのかげに、神々たちのいやらしい眼が光っていた。
— 太宰治 『懶惰の歌留多』 青空文庫
偶因狂疾成殊類 災患相仍不可逃今日爪牙誰敢敵 當時聲跡共相高我爲異物蓬茅下 君已乘※氣勢豪此夕溪山對明月 不成長嘯但成※ 時に、殘月、光冷やかに、白露は地に滋く、樹間を渡る冷風は既に曉の近きを告げてゐた。
— 中島敦 『山月記』 青空文庫
偶因狂疾成殊類 災患相仍不可逃 今日爪牙誰敢敵 当時声跡共相高 我為異物蓬茅下 君已乗※気勢豪 此夕渓山対明月 不成長嘯但成※ 時に、残月、光|冷やかに、白露は地に滋く、樹間を渡る冷風は既に暁の近きを告げていた。
— 中島敦 『山月記』 青空文庫
叔母は此方を見も返らで、琵琶の行方を瞻りつつ、椽側に立ちたるが、あわれ消残る樹間の雪か、緑翠暗きあたり白き鸚鵡の見え隠れに、蜩一声鳴きける時、手をもって涙を拭いつつ徐に謙三郎を顧みたり。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
作例 · 標準
樹間を吹き抜ける涼風が、ハイキングで火照った私たちの肌を心地よく冷やしてくれた。
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霧が立ち込める森の中で、樹間にぼんやりと野生のシカの姿が見え隠れしていた。
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樹間から差し込む朝日が、森の奥深くを黄金色に染め上げていく様子は幻想的だった。
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