擦過
さっか
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
abrasion
文例 · 用例
短歌が、ただ擦過するだけの謂はば哀感しか持たないのは、それを作す人にハーモニーがないからだ。
— 中原中也 『河上に呈する詩論』 青空文庫
村の人達の湯にはまた溪ぎわへ出る拱門型に刳った出口がその厚い壁の横側にあいていて、湯に漬って眺めていると、そのアーチ型の空間を眼の高さにたかまって白い瀬のたぎりが見え、溪ぎわから差し出ている楓の枝が見え、ときには弾丸のように擦過して行く川烏の姿が見えた。
— 梶井基次郎 『温泉』 青空文庫
しかし、思い切ってそれを始めると、超現実的な大気が、音も無い風となって、皮膚の全部を擦過する。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
死体には別に、岩角での擦過傷というようなものはなかった。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
やはり、腕や脚にも擦過傷はなかった。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
(左の脇腹に擦過傷を一つ負うただけで、金鵄勲章をもらって、人からは日露戦争の勇士だの、なんだのと云われるが、なにが面白い) 広巳の感情はたかぶって来たが、それでもその感情の前方には錦絵の女があった。
— 田中貢太郎 『春心』 青空文庫
われは客の、彈は脇を擦過りたり、些の血を失ひつれど、一月の間には治すべしといふを聞き得たり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
娘は擦過創及挫傷の為めに甚しく変形しゐたり。
— THE MURDERS IN THE RUE MORGUE 『病院横町の殺人犯』 青空文庫
作例 · 標準
転倒して肘に擦過傷ができてしまった。
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新しい靴を履いたら、かかとが擦過して痛い。
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この素材は摩擦に強く、擦過しにくいのが特徴だ。
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