嬋娟
せんけん
形容詞-たる副詞-と
標準
graceful
文例 · 用例
』といつて嬋娟たる姿は急ぎ立ち迎へた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
春枝夫人の嬋娟たる姿は喩へば電雷風雨の空に櫻花一瓣のひら/\と舞ふが如く、一兵時に傷き倒れたるを介抱せんとて、優しく抱き上げたる彼女の雪の腕には、帝國軍人の鮮血の滾々と迸りかゝるのも見えた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
決して高い山ではないが、けれども、なかなか、透きとほるくらゐに嬋娟たる美女ではある。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
歴尋す嬋娟の節、翦破す蒼莨根、とありまするから、一々この竹、あの竹と調べまわった訳です。
— 幸田露伴 『幻談』 青空文庫
ものうい憊れの翳を、嬋娟たる容姿のどこかに見せながら。
— 中島敦 『悟浄出世』 青空文庫
婦の徳をさへ虧かでこの嬋娟に生れ得て、しかもこの富めるに遇へる、天の恵と世の幸とを併せ享けて、残る方無き果報のかくも痛き人もあるものか。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
されば竜宮に永年積んだ財宝は無量で壇の浦に沈んだ多くの佳嬪らが竜王に寵せられて竜種改良と来るから、嬋娟たる竜女が人を魅殺した話多きも尤もだ、竜宮に財多しというが転じて海に竜王住む故大海に無量の宝ありと『施設論』など仏書に多く見ゆ。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
嬋娟たる花の顔ばせ、耳の穴をくじりて一笑すれば天井から鼠が落ち、鬢のほつれを掻き立てて枕のとがを憾めば二階から人が落ちる。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
作例 · 標準
中秋の名月が、嬋娟とした輝きを放ちながら夜空の中空にかかっている。
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古来より詩人たちは、月を嬋娟たる美女の姿に例えて多くの名歌を詠んできた。
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静まり返った湖面に、嬋娟たる月の影が揺らめいている様子は実に幻想的だ。
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