俗文
ぞくぶん
名詞
標準
(piece of) writing in colloquial style
文例 · 用例
二葉亭も根が漢学育ちで魏叔子や壮悔堂を毎日繰返し、同じ心持で清少納言や鴨長明を読み、馬琴や京伝三馬の俗文学までも究め、課題の文章を練習する意で近松や馬琴の真似をしたり、あるいは俗文を漢訳したり漢文を俗訳したりした癖が抜け切れないで、文章を気にする文章家気質がいつまでも失せなかった。
— 内田魯庵 『二葉亭余談』 青空文庫
二葉亭は漢学仕込で魏叔子や壮悔堂を愛読し、国文俗文の一と通りにも通じていたが、いよいよ文学を生命とするとなると、それまでは閑余の漫読に過ぎなかった群書の渉猟にヨリ一層進んで深く造詣しなければならぬから骨が折れた。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
加うるに、火星の生物は、体躯が矮小で、知能は高く、強大なる原動力を支配し、すでに地球上の地形風俗文化さえも調査ずみであり、実に恐るべき生物である。
— 海野十三 『地球を狙う者』 青空文庫
其の後は左樣には參らず、國學も此の地に發祥したが他に移り、淨瑠璃の如き通俗文學も其の價値は減ずる樣になり、人形芝居の如きも人形ばかりが發達して淨瑠璃の文句の方は拙惡になり、漢學の方でも懷徳堂は永く續く間には學問の系統も門閥的になり、懷徳堂其のものにもいろ/\門閥が出來た。
— 内藤湖南 『大阪の町人と學問』 青空文庫
客観小説を提唱する人々が今日作品の実際では申合せたように歴史小説の分野に紛れ込んだり、通俗的な大衆文学、通俗文学に入って行っていることも、複雑な観察を求める現象である。
— 宮本百合子 『今日の文学の鳥瞰図』 青空文庫
これらの人々の考えかたの特徴は、作家の大衆に対する文化的指導性を自身の社会性についての省察ぬきに自認している点、及び、所謂|俚耳に入り易き表現ということを、便宜的に大衆的という云い方でとりあげていて、従来の通俗文学との間に、画すべき一線のありやなしやを漠とさせている点等にある。
— 宮本百合子 『文学の大衆化論について』 青空文庫
かつてプロレタリア文学が、芸術の内容と表現における社会性との問題にふれて、従来の純文学と通俗文学とは質において異った階級の社会性に立つ文学として、文学の大衆性をとりあげた。
— 宮本百合子 『今日の文学に求められているヒューマニズム』 青空文庫
通俗文学はなるほど数の上では多勢によまれているであろうが、描かれている生活の現実は勤労生活をしている者の日常の悲喜を活々とうつしているのではない。
— 宮本百合子 『今日の文学に求められているヒューマニズム』 青空文庫
作例 · 標準
彼は難しい専門書だけでなく、俗文で書かれた読み物も好んだ。
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この小説は、俗文でありながらも奥深いテーマを扱っている。
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昔の物語は、庶民にも親しまれる俗文で書かれていることが多かった。
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標準
vulgar writing
作例 · 標準
その批評家は、彼の作品を俗文だと酷評した。
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俗文で書かれた広告は、多くの人々の目を引いた。
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読者に媚びるような俗文は、書き手として避けたい。
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